文鳥:英語と中国語、聞き分け 慶大教授ら実験で確認
◇言語学ぶ文鳥
ペットとして身近な文鳥が中国語と英語を聞き分けることを、慶応大の渡辺茂教授(実験心理学)らが実験で確認した。
サルやネズミなどのほ乳類が複数の言語を聞き分けることは分かっていたが、鳥類での確認は初めて。
人間の言語能力の解明にも役立つという。
渡辺さんらは「源氏物語」や「吾輩は猫である」の英語訳と中国語訳をバイリンガルの留学生に朗読してもらい、録音した。
そのうえで、止まり木に乗ると英語の録音が流れ、餌が食べられるように文鳥を訓練した。
その後、英語と中国語の録音をランダムに流し、英語が流れた直後に止まり木に乗った時だけ文鳥が餌を食べられるようにした。
英語を聞いて止まり木に移った時と、中国語を聞いて止まり木に移らなかった時を「正解」としたところ、
正解率は75%になった。別の2羽を、中国語が流れた時だけ餌を食べられるように訓練した結果も同様だった。
渡辺さんによると、文鳥やインコなどさえずりが上手な鳥は羽化後に種独特のさえずりを覚えるため、
言語の聞き分け能力が高い可能性がある。
渡辺さんは「人間は意味が分からない言語でも、抑揚や発音からある程度聞き分けることができるが、
文鳥も同様の能力があるようだ。脳の構造などの共通点を調べれば、音声認識メカニズムの解明につながる」と話している。
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