語学と文学の間 大野晋 岩波書店
著者 大野晋
出版社 岩波書店
定価 1050円
奈良時代の言葉を伝える『万葉集』に用字の乱れが集中する箇所があるのはなぜか,仮名遣の原則を最初に打ち立てた藤原定家はどんな法則によりそれを決めたのか,本居宣長は『源氏物語』の恋の諸相をなぜ「もののあはれ」として捉ええたのか…….日本語の起源を探りつづけてきた著者が,文字の背後に隠された人間的営みを解き明かす.著者がタミル語に出会う以前の仕事の精華.
まえがき
I 語学と文学の間 ――本居宣長の場合――
II モノとは何か ――ものがたり,もののあはれの意味――
III 日本人の思考と日本語
IV 日本人の思考と述語様式
V 『万葉集』巻第十八の本文について
VI 仮名の発達と文学史との交渉
VII 仮名遣の起源について
解説(井上ひさし)