ことばのコミュニケーション 岡本真一郎 著 ナカニシヤ出版
著者 岡本真一郎
定価 2,625円
出版社 ナカニシヤ出版
ユーモア、皮肉、うそ――単に情報を伝えるだけではなく、様々な感情や態度が反映し行動に影響を及ぼすことばのコミュニケーション。心理学・言語学によるさまざまな興味深いアプローチを実験や調査等実証的な研究結果をふまえてわかりやすく紹介。
<目 次>
第1章 対人関係の描写
第1節 対人関係と述語
1. 人物特性の推論
2. 述語の「抽象度」
3. 集団に対する認知バイアスと言語表現
4. 原因の推論と言語
5. むすび
第2節 対人関係のメタファー
1. 隠喩
2. 提喩
3. まとめ
第2章 対人関係の構築
第1節 ポライトネス理論と初対面会話
1. はじめに
2. ポライトネス理論
3. 日本語のスピーチレベル管理にみるポライトネス表示
4. 丁寧体基調の談話にみるポライトネス・ストラテジー
5. おわりに
第2節 親しさを伝える
1. 親しさ
2. 親しさとポライトネス
3. 親しさのコミュニケーションの特徴
4. 親しさを考慮した日本語の会話研究
5. 親しさのコミュニケーションモデル
6. 親しさのコミュニケーションの会話
7. まとめ
第3節 親密化過程と会話
1. ダイナミックな相互作用である対人コミュニケーション
2. 初期の対人関係における対人コミュニケーション
3. 親密な二者の対人コミュニケーション特徴
4. おわりに
第4節 電子コミュニケーションのポライトネス・インポライトネス
1. はじめに
2. ポライトネス・インポライトネス研究の推移
3. 2つのBBS:言語形式と言語行動
4. 考察:差を説明するもの
5. おわりに
第3章 対人関係の諸方略
第1節 依頼・要求にみる意図の伝達
1. はじめに
2. 依頼・要求の方略の研究動向
3. 間接的発話行為研究と依頼・要求表現
4. 依頼・要求の表現の普遍的な3分類
5. 日本語の依頼・要求の表現の分類
6. 依頼・要求の表現の多様性:発話行為の実態調査から
7. 依頼・要求の定型表現の使い分け:言語学・国語学
8. 依頼・要求の定型表現の使い分け:心理学
9. 依頼・要求表現の閑話休題:最近の傾向
10. 日本語は「察し」の言語
11. 談話展開という方略
12. 依頼・要求の談話展開の研究
13. 発話意図の前ぶれと予測
第2節 ユーモア
1. 研究の動向
2. ユーモアの個人特性と対人関係
3. 影響力の武器としてのユーモアの効果
4. 対人関係における方略としてのユーモア
第3節 ほめことばと応答
1. はじめに
2. 人間関係からみたほめの特徴
3. 人間関係からみたほめの応答の特徴
4. おわりに
第4章 対人関係の裏と表
第1節 皮肉:何をどのように伝えているのか
1. 皮肉とは何か
2. 皮肉の対人的機能
3. 皮肉に関する実験的研究
4. 皮肉の用例研究
5. おわりに
第2節 うそ
1. はじめに
2. 社会心理学的うそ研究
3. 虚偽検出
4. うそをめぐって
第3節 罵りとその周辺の言語行動
1. 研究対象としての罵り
2. 先行研究:罵りとその周辺
3. マイナス評価表明のモデル
4. 実験・調査結果から得られる知見
5. おわりに
第4節 対人関係の宥和とことば
1. 宥和行動とは
2. 感情の機能:宥和を乱すことばとして
3. 宥和機能と社会的相互作用
4. 宥和のことばと宥和生起過程
索引