連語論と統語論 松本泰丈 至文堂
著者 松本泰丈
出版社 至文堂
定価 4500円(税込み)
奥田靖雄の連語論とクリモフの内容類型学―活格構造論に深く共鳴し、みちびかれながら研究活動を続ける著者の送る一冊。
標準語の文法事実だけでなく、方言に現れる文法現象にも常に注意をむけ、日本語の文法構造の多様さをとらえようとする。
日本語の未開拓の研究分野に果敢に挑み、まだこういう研究領域があると、これからの日本語研究者に元気を送る一冊。
【主要目次】
・単語・連語・慣用句
・連語論のかんがえかた
・に格の名詞と形容詞とのくみあわせ―連語の記述とその周辺―
・連語の記述をめぐって―奥田靖雄「を格の名詞と動詞とのくみあわせ」にまなぶ―
・なづけの単位としての連語
・〈連語〉概念の発達
・連語のくみたてにくわわる名詞―名詞のハダカ格・ガ格のあつかいをめぐって―
・琉球方言の主格表現の問題点―岩倉市郎『喜界島方言集』の価値―
・〈能格〉現象と日本語―琉球方言のばあい―
・〈行為動詞〉おぼえがき―三上章説の点検―
・〈現象文〉のこと
・琉球方言と中国語―クミタテのつきあわせから―
・品詞と文の部分
・変形をめぐって
■書評・紹介
・山口巌著『類型学序説―ロシア・ソヴエト言語研究の貢献』
・G・A・クリモフ著(石田修一訳)『新しい言語類型学・活格構造言語とは何か』
・方 美麗著『「移動動詞」と空間表現―統語論的な視点から見た日本語と中国語』
・三上章著『構文の研究』
・南不二男著『現代日本語文法の輪郭』
・佐伯梅友著『古文読解のための文法』(上・下)の現代性
・この本ができるまで
・初出一覧
・本文人名索引