日本語助詞の文法 半藤英明 新典社
著者 半藤英明
出版社 新典社
定価 8925円(本体8500円+税5%)円
日本語の特質を象徴する「助詞」。 その中でも特に文構成や伝達に不可欠であり、 文法的にも強い影響力を持つものを取り上げ、 日本語における助詞全般の重要性を鋭く論究した一書。
第一章 日本語助詞の分類
一、助詞の分類
二、助詞の扱い
三、分類の基準
四、分類上のカテゴリー
五、補足
六、まとめ
第二章 格助詞「が」
一、「が」構文に関する議論
二、「が」構文の分類
三、転位構造の特徴と意義
四、結び
第三章 「が」の解釈
一、中立叙述と総記の問題
二、総記と文脈との関係
三、総記と転位構造
四、中立叙述の扱いと「が」の働き
五、結び
第四章 係助詞「は」「も」「こそ」
一、係助詞の機能と情報構造
二、論点の整理
三、既知・未知から「旧知・新知」「旧情報・新情報」へ
四、旧知・新知、旧情報・新情報の意義
五、「こそ」構文の転位構造と旧知・新知
六、まとめ
第五章 「も」による「は」助詞代用
一、「も」の理解
二、問題の用法
三、「も」の基本的働きと問題の用法の位置付け
四、問題の「も」の働き
五、まとめ
第六章 「こそ」の解釈
一、論点
二、古典語「こそ」の働き
三、主用法の変化と前提句の用法の位置
四、「こそ」の「取り立て」機能
五、再び「こそ」の解釈
第七章 副助詞「だけ」
一、副助詞の働き
二、所謂準体助詞「だけ」の用法
三、副機能「だけ」の用法
四、「だけ」の慣用的用法
五、限定と程度の使い分け
六、まとめ
第八章 「だけ」の複合形式①
一、「だけ」と「が」「は」
二、文意の重点に関する問題
三、「だけ」の構文に於ける文意の重点
四、「体言+だけが」文と「体言+だけは」文の差異
五、対比的含みの存在
六、まとめ
第九章 「だけ」の複合形式②
一、「で」との複合
二、「だけで」文の二義性の有無
三、「だけで」文の二義性の条件
四、「だけで」文の二義性と限定される体言との関係
五、まとめ
第十章 副助詞「しか」
一、「しか」は係助詞か
二、構文上の在り様
三、「しか…ない」形式の拘束性
四、「しか」の係助詞性
五、「しか」の意味的限定
六、結び
第十一章 接続助詞「て」
一、文脈依存の「て」
二、「て」の意味的分類
三、従属節としての「て」
四、「て」の本質
五、まとめ
第十二章 並立助詞「と」「や」
一、論点
二、従来の指摘
三、史的変遷①―「と」の場合
四、史的変遷②―「や」の場合
五、結び
第十三章 終助詞と間投助詞
一、終助詞と間投助詞の近似性
二、従来の諸説の検討
三、終助詞と間投助詞の区別
四、実例の検討
五、間投助詞は助詞であるべきか
六、まとめ
第十四章 終助詞「か」
一、問題の所在
二、疑問文の構成
三、文末「か」構文の意味類型
四、文末「か」構文の意味的体系
五、疑問文とは?
第十五章 助詞と文との関わり①―強調―
一、論点
二、語句による強調態
三、表現形式による強調態
四、まとめ
第十六章 助詞と文との関わり②―主語の立て方―
一、論点
二、主語の扱い
三、問題の所在
四、第一の問題
五、第二の問題
六、形容詞述語文の多様さ
七、まとめ
第十七章 助詞と文との関わり③―格―
一、格の問題点
二、名詞述語文の「が」
三、特別な格付与
参考文献
既発表論文との関係
あとがき
索引