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2006年 10月 01日
西欧言語の歴史 ヴァルテール著 平野和彦訳 藤原書店
著者 アンリエット・ヴァルテール 訳者 平野和彦 定価 6090円 出版社 藤原書店 ギリシア、ケルト、ラテン、ゲルマン――民族の栄枯と軌を一にして盛衰を重ねてきた西欧の諸言語。数多存在する言語のルーツ、影響関係をつぶさにたどり、異なる言語同士の意外な接点を発見しながら、かけがえのない「ことば」の魅力を解き明かす欧米のベストセラー、ついに完訳! ●目 次● 日本の読者へ 序 文 アンドレ・マルティネ はじめに I ヨーロッパ諸言語のはるかなる起源 II ギリシア語 III ケルト語派 アイルランド語 スコットランド・ゲール語 コーンウォール語 マン島語 ウェールズ語 ブルトン語 IV ラテン語から派生した諸言語 ラテン語 イタリア語 スペイン語 ポルトガル語 フランス語 V ゲルマン語派 デンマーク語 ドイツ語 ルクセンブルク語 オランダ語 英語 VI 多言語共存 【藤原書店PR誌『機』2006年9月号より】 ●ヨーロッパ全史を言語から解き明かしたベストセラー、遂に完訳! ヨーロッパと多言語主義 ――H・ヴァルテール女史に聞く(聞き手・加藤晴久)―― H・ヴァルテール 言語の多様化と統一 あなたが『西欧言語の歴史』を書き始めた意図は何ですか。 私はフランス語が母語のフランス人ですが、フランス語の専門家にはなりませんでした。英語とイタリア語を専攻としたわけです。ゲルマン語の英語とロマンス語のイタリア語の研究が、ヨーロッパという枠組みに関心を広げるきっかけになりました。アンドレ・マルティネの影響もあります。マルティネのセミナーでは、インド・ヨーロッパ語の変遷、インド・ヨーロッパ語がどのように分化したか、多様になっていったのかが常にテーマになっていました。それに、言語が多様化したあとに、接触と、接触による同化の現象もあったのです。多様化と統一といった複雑な過程がそれぞれの言語でどのように進んだのか、その詳細を理解したいと思いました。 イタリア語 イタリア語を例にしますと、トスカナ方言がなぜイタリア語となったのか、シチリア方言はイタリアで初めて詩の言語となったのに、イタリアが統一されたとき、なぜイタリア語とならなかったのか。その理由は文学的な理由です。フィレンツェに生まれた、ですからトスカナ方言を話し、トスカナ方言で書いた三人の大作家、ダンテ、ペトラルカ、ボッカチオのおかげなのです。 スペイン語 スペインの場合は文学の歴史とはまったく関係ありません。宗教と戦争の歴史が関与した話です。スペイン北部のカスティーヤの人々がアラブ人に対して国土回復運動(レコンキスタ)を始め、その言語と共に南下し、アラゴン方言、アンダルシア方言といったラテン語起源のすべての言語を圧倒していった。カスティーヤ語の天下になったわけです。 フランス語 フランス語の場合は政治です。国王がイル=ド=フランス地方に君臨していて、そのフランス王国が拡大していくにつれてフランス語が浸透していったのです。そのことはフランス語の語彙が英語の語彙に入っていった過程を見れば明らかです。 フランスの言語は1066年にウィリアム征服王とともにイギリスに上陸しましたが、イギリス人が最初に出会ったのはフランス語ではなく、ノルマンディー方言でした。ラテン語起源のもう一つの形態の言語です。たとえば動詞carry「運ぶ」ですが、発音は[チャリー]ではなく[キャリー]、[k]で発音しています。イル=ド=フランス地方の語形でなく、ノルマンディー方言の語形です。たとえばcatchも同様です。これも[キャッチ]であって、[チャーチ]ではありません。しかし一世紀後にはcatchと同じくラテン語のCAPTIARE「捕る」が語源のchaseはフランス語から英語に入りました(訳注 ラテン語CAPTIARE→ノルマンディー方言cachier→英語catch ラテン語CAPTIARE→古フランス語chacier→英語chase「狩る」)。ラテン語は、フランス語を通して英語に入ったということです。つまり貴族は自分たちの地域の言語に加えてフランス語を学んだということです。 ドイツ語 ドイツ語の場合はまったく違います。これは方言を越えたところで形成された言語の歴史なのです。特にルターによる聖書翻訳が大きく貢献しています。 こうしてみると、それぞれの国の中で特定の言語が頭角を現してきたのには、それなりの理由があることがわかります。 ベストセラーの理由 この本が多くの人の興味を引き、成功を収めたことをどのように説明されますか。 この本が出版されたのはちょうどマーストリヒト条約の締結(1993年11月)の直後で、出版社はとても悲観的だったのです。これは売れない、と言うのです。条約批准の是非をめぐって、それはかしましい議論になっていましたから、みんなもう、ヨーロッパがどうのこうのにうんざりしている、と言うのです。 ベストセラーになったのは、この本は高度な学問を基礎にして書かれているのですが、それが見えないように工夫されている。学問的なものは隠れていて、読みやすく変化に富んだ説明、ゲーム感覚の遊びや地図なども入れ、常に誰もが知っていることから始めて、その上で知らないことを導入するようにしたからであると思います。 たとえば、イタリア語の章では、誰もが関心を持っているものは何か、パスタだ、ということで、数ページを割いてパスタのいろいろな名前を並べました。イラストも入れました。みんながマカロニ、スパゲッティ、ラヴィオリなどといったものをよく知っているからです。スペイン語ではパエリヤでしょうが、これは多様性がありません。パエリヤ・オ・チョリソでおしまいです。ですから、スペイン語の章では、アラビア語との関係を論じました。スペイン語はロマンス語で、ラテン語からの派生ですが、アラビア語の影響で大きく変わりました。そこで私は国土回復運動(レコンキスタ)の経過を説明する一方で、スペイン語の中にはアラビア語が大きな場を占めていることを囲み記事の形で示しました。 移民と言語 移民と言語の問題です。フランスは移民受け入れ大国ですが、社会への同化のためにフランス語教育に力を注いでいます。 移民の人たちがフランス語を学べるように全国各地に多くの講座が組織されています。同時に彼らの言語に価値を認めようとしています。アラビア語はきれいな言語ですし、トルコ語もきれいな言語ですし、ベトナム語もそうでしょう。教育の場では移入してきた人々の言語を軽視しないよう努力しています。 アメリカではすでに4000万のスペイン語を話して暮らしている人々がいます。アメリカも以前は英語教育を通して移民を統合する政策を取っていました。言語的統合の面で寛容になりすぎるとマイナスの影響がでてくるのでは。 一般的にフランスに来る人々はフランス語を学びたいと思っています。もちろん例外はあります。でも大体の場合は違います。皆、フランスに同化することを強く望んでいます。というのも、彼らはフランスに強い魅力を感じて来た人たちだからです。経済的なこと、仕事のためもあるでしょうが、フランスに来るということ自体に一種の権威があるのです。 EU統合と言語状況 EUを語るとき二つの軸があります。拡大と深化です。いずれの面でも言語の問題は重要です。現在15ヵ国で九言語が公式言語ですね(2003年現在)。いろいろな会議のとき通訳の問題はどうなっているのですか。 わたしの知る限り、すべての言語が直接すべての言語に訳されています。ですから大勢の通訳担当公務員がいます。大変な経費です。基軸言語を決めようという話もあります。しかし、少なくとも現在主流の考え方は多言語主義を維持していくということです。一言語ないし数言語に制限すると多くの大切なものが失われる、欧州統合の理念に反する、ということだと思います。 EU統合を進めようとすれば、この言語の多様さというものが難しい問題を引き起こすのではないですか。 多言語主義を維持しようとするなら、翻訳を維持しなければなりません。これは本質的な問題です。そこで言語教育の推進が重要になります。どのような教育法を用いて教育するかという課題があります。一つの言語から始めて、それと近い言語に行く、つまり一連の近接言語を学ぶというやり方が考えられます。たとえばラテン語から派生したロマンス語をひとつ学び始めたら、おなじロマンス語をどのように組み込んでいくか、フランス語から始めたら、どのようにイタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語などを組み込んでいけるか、といった工夫です。こうした対策がEUレベルで模索されているのです。 今後ヨーロッパの言語状況はどのようになっていくとお考えですか。 15ヵ国に新しい国々が加わってくれば新しい問題が生ずるでしょう。現在、ロマンス語あるいはゲルマン語を話している人たちの間では、お互いの言語を習得するのは比較的やさしいはずですが、スラブ語を話す国が加われば、これは難しくなるでしょう。インド・ヨーロッパ語のなかでスラブ語との分化が始まったのはずっと前のことですから、それぞれの進化がすすんで差異が拡大しています。ただ、スラブ諸国では18世紀にはすでにフランス語が共通言語でしたし、系統的にはより近いドイツ語が学校教育では重視されています。10年くらい前まではスラブ諸国ではラテン語が国際的な共通言語だったのですよ。 スラブ諸国ではラテン語はかなり最近まで国際的な言語であり続けたのですね。フランス語はそれなりのポジションを維持すると思います。15ヵ国でなくまだ12ヵ国だったときのことですが、ヴァランシエンヌで行われたEUの言語問題についての国際会議でドイツの代表が言いました。「英語が第一ですが、でも二番目は議論の余地なくフランス語です。ドイツ語ではありません」。ドイツの代表が言ったのです。興味深いことだと思います。フランス語の歴史的な重みというものがあるわけです。(平野和彦訳) (Henriette Walter/レンヌ第二大学名誉教授)
by ishilinguist
| 2006-10-01 22:27
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